【NHKあさイチ】動脈硬化・認知症対策に!?葉酸フル活用術(2月4日)

2020年2月4日(火)の「あさイチ」では「動脈硬化・認知症対策に!?葉酸フル活用術」と題して、葉酸について特集します。
動脈硬化に脳卒中、心筋梗塞、そして認知症。
加齢とともに発症しやすくなるこれらの病のリスクを下げると期待される栄養素があります。
ブロッコリーやホウレンソウ、レバーなどに豊富に含まれるビタミンの一種「葉酸」。
胎児の成長に欠かせない栄養素として知られていますが、実は老若男女誰でも、その恩恵にあずかれることはほとんど知られていません。
そんな中、埼玉県坂戸市では、14年前から「葉酸プロジェクト」を開始。
定期的にセミナーを開くなど、町をあげ、葉酸の摂取向上に取り組んでいます。
市民の健康寿命を延ばそうと始まった気になる試みの成果はいかに?
また、葉酸は水溶性のビタミンのため、野菜によっては、ゆでることで半減するというデータも。
そこで、葉酸を逃さない調理法&保存法もご紹介。
知られざる「葉酸パワー」を徹底調査!驚きのその実力について、たっぷりとお伝えします。
埼玉県・坂戸市の「葉酸ブロジェクト」
葉酸がなぜ動脈硬化を防ぐのか
埼玉県坂戸市では、2006年から「葉酸プロジェクト」を展開しています。
プロジェクトの責任者は、葉酸博士の香川靖雄さん。(女子栄養大学副学長)
葉酸は動脈硬化を防いで、健康寿命を達成するのに必要なビタミンだと語ります。
動脈硬化は、心筋梗塞や脳卒中、認知症などを引き起こすと言われています。
その動脈硬化の原因の一つとしてあげられる悪玉アミノ酸「ホモシステイン」。
これが増えすぎると血管を傷つけ、動脈硬化のリスクがアップするのです。
そこで活躍するのが葉酸。
葉酸がホモシステインを善玉アミノ酸に変えて、悪い働きを抑えてくれるのです。
どうやって葉酸を摂取する?
厚生省が示す基準は240μgですが、葉酸プロジェクトでは「1日400μg」の摂取を勧めています。
ブロッコリーなら、1株のうち7割程度。
結構な量になりますので、坂戸市の皆さんがどうやって摂取するか、食事を見せてもらうことに。
岡田さん家の葉酸ごはん献立
- 鶏胸肉と小松菜の卵とじ・・・葉酸219μg
小松菜には葉酸がたっぷり。
また卵は葉酸卵を使用。葉酸卵は1個あたり葉酸が60μg含まれていて、通常の22μgに比べて、約3倍の含有量。 - 納豆とモロヘイヤの和え物・・・葉酸133μg
- ニラのナムル・・・葉酸46μg
- 味噌汁(紹介されませんでしたが、お揚げと菜っ葉などが入っている様子)
- ごはん
この献立で591μgの葉酸がとれます!
岡田さん考案、葉酸を逃さない調理術
このように葉酸たっぷりの献立を考えるために、岡田さんは坂戸市が配布している葉酸の多い食品一覧表を参考にしているそうです。
また、岡田さんが考えた葉酸を逃さない調理術があるとか。
それは「茎も葉っぱも捨てずに使う」ということ。
茎や外葉にも葉酸は含まれています。
特にブロッコリーの茎には多いそうです。
茎を使った葉酸レシピ「葉酸たっぷりポタージュ」
材料
- 残り野菜のペースト(残った野菜をミキサーで撹拌)・・・150ml
- 豆乳・・・50ml
- バター・・・5g
- 塩・コショウ・・・適量
作り方
- バターを鍋に入れて溶かします。
- 野菜ペーストを鍋に入れます。
- さらに豆乳を加えて、よく混ぜましょう。
- 塩コショウで味を整えて出来上がり
中島さんの葉酸を逃さない調理術
続いてのお宅、中島さんはブロッコリーを茹でずに、レンジで調理します。
葉酸は水に溶けやすく、茹でると3分の1になってしまうそう。
ブロッコリーで比べると、生156μg、茹で106μg、レンジ188μgとなります。
ほうれん草は、炒めるのがいいそうです。
生272μg、茹で223μg、炒め268μgとなります。
ただし茹でないとアクが気になる方もいると思います。
ほうれん草のアクに含まれるシュウ酸を過剰に摂取すると、尿路結石を発症しやすくなるので気をつけましょう。ただし鰹節やちりめんじゃこなどカルシウムの多い食品を一緒にとると、リスクを下げられます。
中島さんの葉酸たっぷり献立
- ほうれん草と舞茸の炒め物
- 小松菜と油揚げの炒め物
- ブロッコリーレンジ蒸し
- 小松菜と油揚げの炒め物
- オリジナル五穀米
合計で510μgの葉酸が摂取できます。
中島さんの葉酸スペシャルドリンク
材料
- 豆乳・・・100ml
- コーヒー・・・50ml
- 甘酒・・・50ml
- 抹茶・・・2g(葉酸40μg)
作り方
材料をよく混ぜて飲みます。
葉酸を減らさないための野菜保存方法
調理方法以外にも、野菜の保存方法を気をつけることで葉酸を減らさないようにできます。
それは「光を避ける」ことです。
葉酸は光に当たると分解してしまいます。
新聞紙などに包んで保存するといいでしょう。
坂戸市が配布する「葉酸プロジェクトまるわかりBOOK」にも掲載されています。
→ホームページから閲覧できます
葉酸を摂るとどんな効果があるの?
このように積極的に葉酸を摂取している岡田さん。どのような効果があったのでしょうか。
まずは血液検査で「血液ホモシステイン」の値が、スタート時8.4→5ヶ月後6.1→1年5ヶ月後5.9と減少。
ご本人も、疲れにくい、熟睡して朝も目覚めが良いとの効果を感じてらっしゃいます。
中島さんもホモシステイン値はスタート時7.1→5ヶ月後6.2と減少。
貧血も改善されて朝早く起きられるようになったとか。
葉酸効果のまとめ
ではここで葉酸の効果をしっかりまとめましょう。
葉酸に期待できる効果
- DNAの合成・細胞の修復・正常な赤血球→貧血予防
- 血管・骨の細胞を傷つける悪玉アミノ酸「ホモシステイン」を善玉アミノ酸に変える
→血管・動脈硬化のリスクを下げる→心筋梗塞・脳卒中・認知症予防も期待
→骨粗しょう症の予防にも
坂戸市では葉酸プロジェクトの結果、5ヶ月でホモシステインが平均1.4も落ちました。
葉酸を多く含む食品

- 緑色野菜・・・菜の花、ブロッコリー、ほうれん草、水菜、春菊、豆苗
- 果物・・・イチゴ、マンゴー
- 海藻・茶・・・焼き海苔、煎茶
- 大豆製品・・・枝豆、調製豆乳
- 肉類・・・鶏レバー、豚レバー
葉酸一緒に食べると効果アップ
葉酸と一緒に食べると、ホモシステインを無害化する働きがアップするのは、ビタミンB12とB6です。
- ビタミンB12・・・しじみ、あさり、かき、さんまなど
- ビタミンB6・・・にんにく、マグロ、カツオ、さんまなど
日本人は葉酸が不足しやすい!?
葉酸の代謝に関連する遺伝子型というものが3タイプあります。
CC型、CT型、TT型とあり、CCが葉酸を体内で利用できる能力を100とすると、CTは65、TTは30しか使えません。
日本ではCTが47.5%、CCが37.8%、TTが14.8%となっています。
ですからCTとTTを合わせた約62.3%の日本人が葉酸を生かしにくい体質だと考えられます。
そこで多めに葉酸を摂取する必要があります。
厚生省が示す基準は240μgに対して、葉酸プロジェクトが「1日400μg」の摂取を勧めているのはこのためです。
葉酸の遺伝子型は、簡単に調べることができます。
葉酸の注意点
- 葉酸不足しやすい・・・遺伝子タイプ(CT,TT型)が日本人は62%以上
葉酸が体内で活用されるのは50-60%ほどしか使えない - サプリメントで摂取する場合、30-60代の場合1日1000μgまで。
サプリメントの葉酸は吸収率が高いので、取りすぎを防止するたまに上限が決まっています。 - お茶にも含まれているが、ペットボトルより煎茶がおすすめ。
光に弱い葉酸は、ペットボトルのお茶では煎茶の1/10程度に減っています。 - ガン治療中の方は、葉酸の取りすぎには注意。
ガンの細胞分裂を促す働きが恐れがあると言われています。(医師に相談してください)
葉酸の美容効果
皮膚科医の慶田朋子さんに教えてもらいます。
葉酸は美肌効果が期待できる栄養素とのこと。
加齢によって低下する、肌のターンオーバー(皮膚が生まれ変わるサイクル)を改善し、みずみずしくハリのある肌を保つのに必要です。
ターンオーバーが遅くなると、古い角質などが残りやすくなり、肌のくすみやキメの粗さの原因に。
葉酸を多くとると、細胞分裂のペースが整うので、若々しい肌を保つことができるのです。
慶田朋子さんの葉酸ごはん
慶田さんお手製の葉酸弁当は、なんと葉酸1090μg!
メインディッシュはレバーの照り焼き。
たっぷりの野菜は、茹でて葉酸が溶け出さないよう、蒸して調理しています。
さらに蒸した野菜から流れ出る葉酸をキャッチするべく、野菜の下に塩昆布を敷いています!
塩昆布自体に葉酸が多い上、食物繊維やミネラルもたっぷり含んでいます。
減塩タイプがおすすめだそうです。
食べ方にもこだわりがあり、野菜・塩昆布・ご飯を混ぜて、野菜ビビンバに。
味付けは塩昆布のみなので、塩分も抑えられます。
コンビニで葉酸ご飯
お弁当を作るのは大変!という方には、コンビニで葉酸の多いものを買って見ては。
番組で紹介されていたのは、ローソンの「食べる冷製スープ(枝豆と五穀)」「オクラとなめこのネバネバサラダ」、冷凍のいちごです。